波止場にて。
通話記録をひっくり返して
自分の弱さと向き合おうとしています。
どんなに寂しくても
どんなに孤独でも
あなたに会いたいなどと申し上げた事について
改めてお詫びを言いたいのです。
灼熱の中の呆然が
湿度の高さにうねりながら
此処にいることの自由ささえも
奪い取る事に夢中になっているのです。
この船は何時間後に私の街へと続く所へ到着するのです。
あなたのため息の聞こえない所へ行こうというのです。
これは卑怯にも
自分自身の選択で
あなたには
きっと伝える事も分かり合えることもない事案なのでしょう。
揺らぐ熱気に身を寄せるだけなのです。